金曜日, 1月11日, 2008, 01:26 AM
最近、中国のトップ名門校であるT大学とのビジネス商談で感じたことである。
T大学から研修の委託業務の相談が知り合いを通して来た。
私たちみたいなできたばかりのベンチャー企業にとって、大変ありがたい話なのだ。
懸命に作成した企画書を提出した。われわれの発想と企画に対してとっても喜んでくれたが、不満がただ一つ、言葉の表現が地味すぎる。
T大学の担当の先生が非常に親切で、類似サービスを提供している他社のパンフを寄せてくれた。「それらを参考してもっともっとアピールしなさい」と言われた。
「アピール」って、要は「大法螺を吹く」とのこと。中国語の俗語で言えば「吹牛」、上品な言い回しにすれば「セン(さんずいに宣)染」という。
(「セン染」:中国画の手法で、雰囲気を出すために色や輪郭をぼかす。−小学館「中日辞典」より。つまり、本来の姿をぼかして、真実を見えないようにする意味で使われているではないかと思う)
寄せられたパンフに書かれた講師たちの経歴を拝見したら、確かにすごい!そちらと較べると、うちが提案している慶応の名教授でさえ高校の先生のようにみえた。
これは今風の中国のビジネス習慣なのだ。真っ赤なうそではないが、「一」を「三」にみせることで、人の目を引きつけようとする。
謙遜社会に慣れた日本人がこのような中国人に騙されたり圧倒されたりすることが多いかと思う。
実は、中国人も謙遜が美徳だと思っているが、ビジネスになると、何故か変わる。競争が厳しい社会でとにかくチャンスをつかもうとするからでしょう。
中国人の一を三にするやり方に同意しない。しかし、日本社会に慣れた私がこのままでは、中国でのビジネスは絶対成功しない。中国の日系企業の認知度が低いのはこれが原因になっているかもしれない。
日本人は「アピール意欲」をもう少し高め、中国人はもう少し控えめにすれば、もしかして、日中関係がもっとスムーズに発展するかもしれない。