月曜日, 11月26日, 2007, 11:35 PM - 楽・チャイナ
中国市場に対するはじめての本格的な営業活動を臨んで、成田空港で手土産のお菓子を10個買った。女性の店員さんが辛そうな表情で山盛りになった手提げ袋二つを中から持ってきて、足元に既に荷物がごろごろ置いてある私を見て、「すみません、ちょっと重いですから、大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ありがとう。」と、大したことがなさそうな振りして、六個の荷物を肩や両手にして、全身の力を絞って、身軽そうなステップで店舗から出てきた。どうにかしてこの店員さんの哀れそうな視線から早く消えたい、恥ずかしい、と思った。
アメリカNorthWest航空が、荷物の重量管理が非常に厳しい。チケットが安いから、文句を言えない。オーバーウェート料金を惜しんで、本も靴もスーツケースから出し、全部手荷物にした。
やり取りしているうち、ファイナルコールになり、6つの荷物を抱え、搭乗ゲートに走った。
走りながら、ふっと思った。
今の私は、どのように映るでしょう。きっと、北京駅でよく見かける田舎から出稼ぎに来た農民みたいに違いない。リュックやカバン、荷物が体中を巻いているような人たちのイメージが頭に浮かんできた。
最近、自己紹介してから、「起業家、すごいですね。勇気がありますね」、よく“褒められた”。どう答えればいいか分からないので、「いいえ、全然」と返事するしかなかった。
「起業家」って、名前はカッコいいだけで、本質的には出稼ぎ労働者とは、そう違わないかな。何でもかんでも自分の手でやらなければならない、つもり、「白手起家」というところは、全く同じ。
いや、出稼ぎ労働者よりもっと惨めかも。労働者は、体をさえ使えば良いんだから、起業家は頭も使えなければならない。休みがない。
これを考えながら、腕や手が痺れそうになり、ようやく席についた。
飛行機が滑走路に走り出し、飛んだ。
下の灯火点々の都市を眺め、ほっと一息ついた。疲れ果てた体のお蔭か、意外と頭が冴えってきた。「さあ、営業活動、どうしようか。」
これは、「起業家」という職種のもう一つの魅力かも―「体力」と「脳力」の面白い釣り合い。
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